
夏の秘密
第18章 二人だけの秘密
夏「あっ、バスタオル用意しなきゃ」
バスタオルを手に
一階のお風呂場へ向かった夏
晴はもう入っていたし脱衣所で鉢合わせ
る事は
なかったが…
夏「…」
聞こえるシャワーの音
曇りガラス越しに見える晴の裸、その姿
に…
夏「…お兄ちゃん」
夏が晴を想う気持ちは
兄としてではなく一人の男性として想っ
ていた
その気持ちは、もう止められない
止める事なんて出来なかった
そしてそれは晴も
同じで…
晴「…」
冷水を浴びながら
晴は必死に考えを巡らせていた
これから、これから自分はどうするべき
なのか…
晴「…はぁ…何でよりによって…」
晴を悩ます原因
それは数時間前のある男の些細な一言か
ら
始まった
康弘「晴って妹いたよな」
晴「会ったのか!?」
康弘「この前、晴と一緒のとこ見かけた
んだよ、かわいい子だよな」
晴「…そうかな」
康弘「あのかわいさに気づいてないなん
て勿体ないよな」
晴「…」
言葉にはしなかったが
康弘の求めている事はわかった
しかし晴は康弘の女癖の悪さを知ってい
た為
絶対、自分から
夏を紹介するとは言わなかった
