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夏の秘密

第23章 夜の思い出



勇助「…」

夏「やっぱりここにいた」

勇助「夏!?」

夏「よいしょっと」

勇助「…」


その夜
夏はホテルを抜け出し
勇助がいる夜の海を訪れていた
日中はあんなに暑かったのに夜になると
涼しさを通り越し
少し寒さを感じるほど
だった


勇助「先生に怒られるぞ」

夏「バレる前に戻れば大丈夫」

勇助「大丈夫って…怒られるのは俺なん
だけど…」

夏「えっ?何」

勇助「何でもない」

夏「…」

勇助「で、何か用だった?」

夏「ううん、別に用事はないんだけど…
もしかしてずっと海にいたの?」

勇助「練習してたんだ、一日でもサボる
と取り戻すの大変だから…」

夏「本当好きなんだね、サッカー」

勇助「…どうなんだろう」

夏「えっ?」

勇助「本当に好きなのかな…」

夏「勇助…」

勇助「…」


砂浜に横になり
物思いに夜空を見上げた勇助
その表情はどこか寂しげで声をかける事
が出来なかった


夏「…」


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