
夏の秘密
第23章 夜の思い出
勇助「結局、砂だらけになっちゃったね
ごめん」
夏「平気、どうせお風呂入るし」
勇助「そうだね」
夏「うん」
砂を払い
乱れた服を整えると
二人は急いでホテルに戻った
ホテルを抜け出した事、バレていないよ
う
必死に祈りながら
しかし…
♪~(携帯の着信音)
夏「!?」
勇助「携帯?」
夏「電話」
勇助「もしかして先生から!?」
夏「わかんない…」
総一郎からの
お叱りの電話かと思い
恐る恐る、携帯を開き電話の相手を確認
すると
待受に表示されていたのは総一郎の名前
ではなく
ある意外な人物の
名前だった
夏「…お母さんだ」
勇助「えっ!?」
夏「…」
勇助「出ないの?」
夏「うん」
母からの電話
その電話に夏は出なかった
母と仲が悪いワケではなかったが
母からの連絡があまりに久しぶり過ぎて
少し戸惑っていただけ
それだけだ
勇助「出なくて良かったの?」
夏「平気、後で…」
総一郎「何が平気だって」
夏「先生!?それに風太まで…」
風太「…」
