
夏の秘密
第29章 帰省
夏「…」
総一郎「乗って、駅まで送るよ」
夏「うん」
総一郎「…」
総一郎の車で
駅まで送ってもらう事にした夏
実家に帰省する事、気持ちの整理をする
事を
すでに伝えていたせいか
総一郎の表情は少し元気がなかった
総一郎「…」
夏「先生、この前の事だけど…」
総一郎「気にしてないから」
夏「えっ?」
総一郎「勇助を選んだ事」
夏「…」
目隠しをし
体が求めるまま、感じるままに
三人の中で誰が一番か選んでもらったが
その相手は勇助だった
その事に関して
総一郎も風太も誰も文句は言わなかった
が
夏自身
このやり方、選び方が
本当に正しかったのか疑問に思っていた
だって…
夏「…でも変だよ」
総一郎「…」
夏「あんな選び方…やっぱり変…だって
手伸ばした先に偶然」
総一郎「偶然じゃないよ」
夏「でも」
総一郎「偶然じゃない」
