
夏の秘密
第30章 大好きだけど大嫌い
勇助「…はぁ」
久しぶりの帰省に
勇助はドキドキしていた
両親に会う事は別に平気だったが
久しぶりに
兄と会って話すと思うと緊張してしまい
不思議と足取りも重く
遅くなっていた
勇助「…変わってないな」
近所には
新しい店が出来たり
新しく家が建ったりしていたが
町並みの雰囲気だけは変わっていなかっ
た
ふと立ち止まり
目を閉じれば思い出す
懐かしい、あの頃の楽しい思い出…
勇助「ただいま」
母「勇助!!お帰りなさい」
父「お帰り、勇助」
勇助「父さん母さん、ただいま」
変わらない父と母
ちょっと老けた気もしたが元気そうだっ
た
ドキドキしながら
父と母と一緒に家に入った勇助
しかし玄関に兄の靴はなく会う事は出来
なかった
勇助「…兄ちゃんは?」
父「巧なら買い忘れた物があるからって
少し前に出てったぞ」
母「大丈夫よ、すぐに戻るって言ってた
から」
勇助「…そっか」
