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夏の秘密

第31章 過去との決別



風太「…広いな」


夏のいない部屋
二人の時は少し狭く感じていたが
一人になると急に部屋が広く感じ一人で
いる事を
余計に強く
感じさせられた


風太「…」


冬休み
帰省しようか迷った
夏も勇助も自分の過去と向き合い前へと
歩き出していた
自分も過去から逃げてばかりではなく
ちゃんと前に進みたいと
本気でそう思った
でも…





義母『風太…』

風太『母さん?』

義母『…風太…お母さんね…風太の事が
大好きよ…』

風太『母さん!?母さ…止めっ…』


思い出すだけで
体中の鳥肌が立ち血の気が引く
一度きりの事だったが、あの事が原因で
自分は…





風太「…」


怖かった
何を考えているのかわからず
その後、何事もなかったかのように平然
と自分や父に接してくる
義理の母
その根性が怖かった
恐ろしかった

義母が怖かった
好意を寄せる女が怖かった
そして
気づいた時には自分は女性恐怖症になり
男性しか愛せない体に
変わっていた


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