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夏の秘密

第37章 それぞれの想い



総一郎「矢野、お前も早く行け…」

勇助「高野」

総一郎「早く行かないと木田に夏、取ら
れるぞ」

勇助「高野はいいのかよ?本当にこれで
高野だって本当は」

総一郎「俺には無理なんだよ」

勇助「何が!?」

総一郎「俺には夏を幸せには出来ない…
夏にはあんな辛い思いさせたくないんだ
よ…」

勇助「高野…」

総一郎「あんな辛い思い…」

勇助「…」

総一郎「…」


もし夏が自分を選んでくれたとしても
自分は夏を幸せには出来ない


自分のせいで
前の奥さんのように
夏を傷つけ辛い思いをさせてしまう
そんな自分勝手な思いから夏を突き放し
た総一郎

だけど…


総一郎「…」

勇助「本人がそんな辛い顔してたら全然
説得力ないし…」

総一郎「うるさい…」

勇助「それに幸せか不幸か、決めるのは
高野じゃないだろう」

総一郎「…わかってるよ」


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