
夏の秘密
第12章 修羅場
総一郎「…」
夏「…」
風太が出て行き
部屋には夏と総一郎が二人っきりに
熟睡してしまったのか夏が起きる気配は
なく
時間だけが
無駄に過ぎていった
総一郎「…」
夏「…ん」
総一郎「夏?」
夏「あれっ…私…」
総一郎「気分はどうだ?」
夏「…」
ようやく目を覚ました夏
しかしまだ寝ぼけているのか夏の様子は
いつもと違い少し
変だった
夏「ちゃん…」
総一郎「夏?」
夏「お兄ちゃん…お兄ちゃ~ん」
総一郎「夏、あっ!?」
夏「お兄ちゃ~ん、お兄ちゃん大好き~
大好きだよ~」
総一郎「夏」
総一郎と晴を間違えているのか
夏はまるで幼い子供のように総一郎の胸
にギュッと抱き着くと
その胸に甘えた
総一郎「夏、俺だよ」
夏「ん?」
総一郎「晴じゃない、総一郎だよ」
夏「総一郎?総…!?」
その瞬間
夏は目を覚まし総一郎から離れた
わかってはいたが、そのあからさまな態
度に
総一郎は軽く
ショックを受けていた
