
夏の秘密
第12章 修羅場
夏「…何でいるんですか」
総一郎「保健医を甘く見るなよ、どうせ
生理痛でダウンしたんだろう」
夏「…」
総一郎「木田が薬、持ってきてくれたか
ら、とりあえずそれ飲め」
夏「…はい」
薬を飲み
冷静になった夏
ここなら他の誰かに見られる心配もなく
ゆっくり話せそうだったが…
夏「…」
総一郎「夏、さっきの続きだけど」
夏「…」
総一郎「夏、俺やっぱり夏が…」
夏「…ごめんなさい」
総一郎「夏?」
夏「やっぱり…やっぱり私には無理です
あの人以外を愛するなんて…」
総一郎「…」
夏「だから…」
総一郎「それでも構わない」
夏「先生…」
総一郎「あいつを好きなままでいいから
あいつの代わりでもいいから…俺は夏に
何も求めない…だから…」
夏「!?」
総一郎「側にいさせてくれ…」
夏「…でもっ」
総一郎「頼むから!!…頼むから…側に
いさせてくれ…」
夏「…」
強く抱きしめられ
泣いているのか震える声で気持ちを伝え
られた夏
普段の総一郎からは想像出来ない姿に
夏の決心、心は不覚にも
揺らいでしまった
