
夏の秘密
第12章 修羅場
夏「だから…」
総一郎「…」
夏「何も求めないなんて言わないでくだ
さい…」
総一郎「…わかった、ありがとう」
夏「…」
気持ちに応えられないのに
そんな思わせ振りな言葉は下手に相手を
期待させるだけ
最低だった
でも
少なからず
この時の夏は総一郎に気持ちが傾いてい
た
あの人ではなく
総一郎に…
夏「…」
総一郎「ところでさ、夏はMなの?」
夏「はぁ!?いきなり何…」
総一郎「だって、さっき意地悪な俺の方
が良いって」
夏「それは…それは先生らしくないって
意味で」
総一郎「だよな、やっぱりらしくなかっ
たよな」
夏「…うん」
総一郎「やっぱりやるか、セックス」
夏「何言って…」
総一郎「大丈夫だよ、絶対妊娠させない
から」
夏「絶対って…前々から思ってたけど…
その自信はどこから…」
総一郎「だって俺、子種ないから」
夏「…嘘」
総一郎「嘘じゃないよ」
