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乾いた空

第1章 一章





「行くところが無いんなら、別に帰る必要無いんじゃない。」



自分でも信じられない言葉が、何故か口から出ていた。



「じゃあ、
私は行かなくていいの?」



「行くところ無いんでしょう。何処に行くの?」



「………」



少女は驚いた顔をしては、黙って顔をうつむいた。


僕は何をして良いか分からず、もう一杯ホットレモンを作って、差し出した。


少女は大切そうにカップを持っては何だかホッとした顔をしていた。


窓から見る寒い青空が太陽のせいか、何だか温かく見えた。


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