テキストサイズ

壊れた御守り

第6章 麻美or健太

「かんぱーいっ!」


体育祭の打ち上げ。 潤平の乾杯コールでみんなはグラスをあげた。



「おめでとーっ3位」



「だぁかぁらぁ!!お前らなんなんだよ!!俺に構うな」



さっきからクラスの奴らが俺に絡んでくる。



今まであんまりしゃべらなかった分、戸惑いを隠すのに必死だった。




「浅野さん、こっちにおいでー」



「頑張ったよね!浅野さん」



「てかウチら最下位だったじゃーん」



「ウチらが言うなってね~」



女子がみんなで笑い合う。



なんだ。麻美、楽しそうで良かった。



「なぁに見てんだ?小南」



「……健太!?」




いるはずのない健太を見て、びっくりした。



こいつ、いつの間に…。



つか、こいつさぁ…



「優勝クラスのやつがこんなとこ来ていいのかよ」



「大丈夫、大丈夫!」



何が大丈夫なんだよ。



俺が呆れて飲み物を飲むと、健太が真剣な顔で俺を見た。



「なんだよ…」



「慶太、ちょっといいか?」



「…あぁ」



妙に真剣な健太が不思議と別人に見えて、



俺は黙って健太のあとをついていった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ