壊れた御守り
第8章 告白と夢
風が俺と健太の間を駆け抜ける。
なんて言ったらいいかわからずに、俺は地面を見つめた。
蟻が、俺の足元で行き場をなくしてさまよう。
「なぁ、慶太…」
「な、んだよ…いきなりそんな変なこと言うなって。あいつと俺は友達で-」
そう。
俺とあいつは友達。
あいつもそう思ってるはずだけど
こいつはなんでこんなこと…
「ほんとか…?」
「は?なんだよ」
「ほんとに“友達”なのか?」
こいつ、なに言ってんだ?
それ以外になにがあるってんだよ。
「あほらし…んな変な詮索すんなよ。健太」
「俺は本気だ!!」
健太が俺の方を見て怒鳴った。
「お前…浅野のこと好きなんだよ」
「はっ?」
“浅野のこと好きなんだよ”
俺が、麻美を…
好き?