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官能的大恋愛

第3章 リアルな感覚を求めて

「今日は撮影オフの日だから、ゆっくり話が聞けるからね。で、俺なんかに突然、何の相談?」

もう本題から、入っちゃうの?

「私、実は官能小説家になりたくてNagさんのDVDを参考にしながら物語を書いて、携帯サイトに投稿してるんです」

「ブッ…、あぁ、そうなの?」

思わず水を少しだけ、吹きこぼしていた。

「はい」

私は机の下で、握っていた拳に力を入れて、ドキドキする気持ちを抑えるのが必死。

「そんな使い方があるとはねぇ」

「私、もっとエッチなDVDに出てくるシチュエーションや撮影する時の脚本だとか、女性をその気にさせていくコツだとか、知りたくて」

「ほぇ~、それでぇ?」

「小説にもっとリアリティーを出すために、役立てたいと思ってて」

「リアリティーねぇ。失礼だけど、恋愛経験はもちろん有るよね?」

「はい」

「自分の経験上の話を活かせば、いいんじゃないの?」

それは、そうだけど…。

そんなもんは、とっくの先に書き込んでるし、在り来たりなんだもの。

しかもここ2年もの間は、恋愛なんて音沙汰なし。

「今は、妄想と参考資料のDVDだけで、何とか膨らませて書いてます。でも、それをしてる時が結構自分の中では、幸せだったりするんです」

そうなの。

幸せな事は夢が叶わなくても、続けていきたい。

この先ずっと。

それで自分が自分らしく居られて。

例え1人になっても、残るものが1つもなくなったとしても。

幸せだったと、自分が思える一生涯で有りたいから。

「小説家になりたいのは、本気?あれって妄想や願望が強い程、ウケがいいと良く聞くけど。実体験を活かしてオーバーにじゃダメなの?」

「それでもいいんですけど。…なんて言うか、経験では私と同じ女性の考え方や評価じゃないですか。そうじゃなくて、男性から見た感情だとか考え方だとか、女性に対しての触れ合う極意が知りたくて…」










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