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夏の夜のような

第12章 奴隷の絶望観念


ああ

また狂ってしまった

あの死神の言葉によって

きっと私も狂ってしまっているのだろう

あの死神によって狂わされるのだろう

絶望に希望を上塗りしたかのような

絶望に身を浸すような

体中を歪んだ希望に犯されるような

私は――――

ああ

また聞こえる

形容しがたい音を立てて

無邪気に狂った死神の足音が




























ガラスの少女の近くにいた諦観の奴隷の物語



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