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夏の夜のような

第20章 変わり目

いつだって、僕らは変わっていく

見えない何かに絡め取られて

見える何かに導かれて

あの時、誰かが教えてくれた言葉は僕の中に残っているけど

『見えない何かが大切なんだ』

なんて、僕には信じられないよ

誰かに出会って、蛇に噛まれて

変わって

変わって

今の僕はただの大人

なりたくなかった大人も

捨てたくなかった子供も

僕は全部捨てて

真っ白になって

何色かで塗られたけれど

あの日、君にもらったあの絵だけは

絶対に、失くさない








王子と呼ばれた一人の大人のお話

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