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貧乳ヒメと書かない作家

第16章 黒幕

夕闇が河川敷を怪しく包み込んでいた。

湿り気を帯びた空気を押し退けて、千春と松田が走っていた。

視界がいいとは言えないがとにかく桐生を探し出さなくてはならない。
探しながら千春はもしかして『あの人』がいるのではないかと思い、それらしい人はないか見渡していた。

「桐生先生ー!」


松田が叫んだが返事はない。

「諦めて帰ったのかな」

半ば期待を込めたが、松田の言葉によって打ち砕かれた。

「あの橋の袂!
2人、見えますか!?

行きましょう!」


千春と松田は息も絶え絶えになりながら河川敷にかけ降りた。


薄暗がりではあったが、千春は確かにその人物を見た。


1人は桐生。



もう1人は…




如月先生…


じゃない!






「渡来野さん?」



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