貧乳ヒメと書かない作家
第20章 誓い
「桐生先生なんか変わったね。
ちょっと前まで子どもみたいだったけど、今とっても大人らしくみえるよ」
千春は心からそう言った。
今日1日で先生はすごく成長した。松田さんがあの時、桐生に駆け寄ろうとしたあたしを止めた理由が今ならよくわかる。
「今日は頑張ったね」
千春は手を伸ばして桐生の頭を撫でようとしたが、
…手が届かない。
桐生と千春では、20センチくらいは身長差がある。
行き場に困った千春の腕が桐生の首に回り、自然に引き寄せる格好になった。
それに合わせるように桐生も下に視線を落とした。
ゆっくりと二人の唇が出逢った。
「なんだか凄く久しぶりだね」
「そうだな」
和やかな空気が流れ、2人とも小さく笑った。
「もう一回、
だめ?」
大分上目遣いになりながら千春が桐生を見上げた。
「しょうがねぇなぁ」
今度は桐生がキスしやすいようにグンと背伸びしてもう一度桐生の薄い唇に触れた。
お互い、確かめ合うようにゆっくりと口を開き、舌と舌が絡み合いあった。
もう二度と離すまいと言うように桐生が千春を引き寄せる。
千春は自分の鼓動が高まるのを感じた。
「ンン…」
甘い。
けどちょっとしょっぱい。
先生緊張してるのかな。