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貧乳ヒメと書かない作家

第22章 とある奇策

その後千春と愉快な仲間達は、美味しいワッフルのお店に行き、軽い昼食を済ませ、
(読者家の千春はお店の名前が宮沢賢治の書いた本と同じだとはしゃいでいた)

その後は立ち寄ったお土産屋などを覗いて回った。

大涌谷のロープウェー乗り場まで行くと、松田がキョロキョロしだした。
「ここで待ち合わせなんですけど…」

何せ終わり頃とはいえ、夏休みシーズン、人が多いので誰が誰やら…。

「どういうやつなんだよ」

桐生が少し苛立った様子で言った。

「一目でわかるように立ってるって言ってましたけど」


「松田さん…もしかして…」

千春が指差したのは、
軽い人だかりが出来た場所があった。

「新人だけど顔出ししてるんじゃないですか?」
「そんな筈ないけどな…」

松田が近寄ろうとするがなにぶん背がちょっとばかり小さいのでよく見えない。

「桐生先生、巨人なんだから言ってあげてよ」

「なんだよ、それ。しゃーねぇなぁ…」

桐生はその身長を生かして女の子達が群がる中に進撃(!?)して行った。

「ちょーと失礼しますよー」


中心に居たのは何か描かれたプラカードを持った、若い男だった。

「もしかして!迎えですか!?」

助かったと言わんばかりに桐生にすがってそこから抜け出した。



「巨人が人間捕まえたみたいだね」



千春は思わずボソッと呟いたのだった…。



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