貧乳ヒメと書かない作家
第22章 とある奇策
長い坂の中腹くらいに行くと目的地があった。
「ここは懐かしいおもちゃとか小物が展示してある博物館です」
カウベルの音とともに入店すると、沢山のおもちゃがショーケースや壁に鎮座されていた。
「みてあれ!」
千春が指差したところにはコック姿の可愛らしいブタの人形があった。
「これ『なんでも○定団』のオープニングにちょっと出てるやつだよね!すごーい」
そんな千春にきがついた従業員が
「これ、動くんですよ」と、人形のゼンマイをまいた。
3人とも顔を近付ける。
ジ~というゼンマイの巻かれる音がして、
ブタが持っていたフライパンをポンッと上に降ったかと思うと、
フライパンの中の目玉焼きが空中に舞って元のフライパンに見事に着地した。
「おー!」
千春は思わず拍手してしまった。
「すごーい!みたみた?面白いね!」
千春は溢れんばかりの笑顔で桐生を叩いた。
「いて、いてっわかったわかった」
なかなかいい滑り出しで旅行はスタートして行った。