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貧乳ヒメと書かない作家

第23章 いどう

やっと取り巻きから逃れてホッと息をついていた。

「申し遅れました、自分は、な…」

突然言葉を詰まらせ、一緒驚いた表情をしたが、すぐに「自分は立木ケンイチです。
まだ駆け出しの作家なんですけど」

と言い切った。

立木はハーフパンツに半袖のパーカーをきたラフな格好と大きめのリュック、それに不釣り合いなプラカードを持っていた。

「そりゃなんだ?」

桐生がそれを立木からひょいと取り上げた。

「お?!」

『待ち人がいます』と書かれていているのだが、
文章の周りには漫画家が描いたと言ってもいい、有名なアニメキャラがイキイキと描かれていた。
「絵…上手いな…」

桐生がそういうと立木は照れたように

「そんな風に言われるのは久しぶりです…!

小説では新人なんですけど、漫画ではそこそこやってまして。
彼女達がどうもファンだったらしく寄って来ちゃったんです」


先生、プロの漫画家さんに上手いだなんて…。

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