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貧乳ヒメと書かない作家

第23章 いどう

「とりあえず時間も心配なんで行きますか」

松田さんに引き連れられ、ロープウェイに乗り込む一行。

乗ってすぐ、千春が切り出した。

「なんで立木…さんはここへ?」

立木は松田の隣で少しそわそわした様子で
「えっと…言っていいんでしょうか?」
ちらっと松田に視線を移した。

「うん、じゃ僕からいおうかな」

「なんだよ改まって」

「立木君は僕の新しい担当なんです。今回は親睦を深める意味もあって、呼びました」


「松田が立木さんの担当者になるんだな」

言葉だけ受け取った桐生が復唱した。


ということは


どういうことだ?



「本当ですか!?
それじゃぁ桐生先生の担当は…」

千春が興奮気味に言った。

「あたしが

桐生先生の担当に?」


松田がニコニコして

「そうなるね」

と言った。

「本当!わ~
ぁ~すごーい!すごいねー!やったぁ!」

と桐生の膝をバンバン叩いた。

「いていてっ!
今日はヤケに狂暴だなっ」

そう言いながらも桐生は嬉しそうにしていた。



「あんまり喜ばれると僕の立場ないなぁ…」



立木はその様子を黙って見ていた。



チラチラと松田を盗み見るように視線を送りながら。



しかしそれには誰も気付くことはなかった。


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