貧乳ヒメと書かない作家
第25章 これはもうそうだとしか言いようがない
風呂場にはすでに先客がいた。
「あれ、渡来野さんじゃないですか」
松田が声を掛けた。
その隣で桐生が気まずそうな表情。
「有名な露天風呂ということで、恵が早めに入りたいって言ってね」
渡来野は湯船に浸かっていた。なかなかしまりのある身体付きをしていた。
―あ、名前で呼んでる。そりゃ、当然だけど。
桐生と松田、2人揃って気まずい表情になる。
「いい風呂だ。
はやく体を洗って入るといい」
渡来野は敢えてその空気を無視した。
なんて大人なんだ!
2人は曖昧に微笑むと桶を持ってシャワーに浴びに行った。