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貧乳ヒメと書かない作家

第25章 これはもうそうだとしか言いようがない

桐生、松田、渡来野は湯船に身を沈めていた。


源泉からお湯が湧き出し、湯船を満たして空には半月と星空が曇りなく輝いて本来ならゆったり出来る時間だったはずのシチュエーションで


なんとも重い空気が流れていた。


桐生は渡来野と直接和解したわけではないし、松田は(実際本人だけの問題で無理なことも自覚していたのだが)如月をとられたような形になったのは忘れようがなかった。


「今日はどこへ言ったんですか?」

と沈黙を破ったのは松田だった。
「名所はまわれましたか?」


渡来野は少し救われたような表情で「ええ、今日予定したところはまわれましたよ」



……。



何のことはない。問題は会話が続かないということだけなのだ。


桐生は『気にしない』を決め込んで空を仰いでいた。



そんな時だった。


「あら~!千春ちゃん!」


隣の女風呂から声がしたのだ。




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