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貧乳ヒメと書かない作家

第26章 めざめ

「あ」

桐生が部屋に戻ると、千春が浴衣姿で夜風に当たり、髪を乾かしていた。
「おかえり」

そよ吹く風に吹かれて佇む千春はなんだか別人のようだった。

「あ、あぁ」

桐生は千春から顔を背けた。

千春には少しサイズが大きい浴衣だったようでプカプカしている。


なんか…


ちょっとくすぐったいような気持ちになった。

「風が気持ちいいですよ。先生もこっち!」

千春が畳の床をトントン叩いた。

「すぐ前に川が流れてるんですよ」

「キレイ…だな」

「なかなかいいとこですね」

「いや、そうじゃなくて

千春今スッゴイヤバイ…」


「え?」


桐生はそっと千春の顎を持ち上げ、


そっとキスをした。



河は音もなく流れていった。


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