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貧乳ヒメと書かない作家

第32章 悩める小説家と


千春はフフと笑い声を漏らした。

「どうした?」今度は桐生が聞く番だった。

「あのね桐生先生と初めての時もこんな感じでだったなぁとおもって」

「そんなことよく覚えてんな」

「先生は覚えてないの?」

「そんなもん忘れたったわー」

「なあんだ」千春はむくれて桐生の肘の外側の関節部分を思いっきりつねった。

「そんなとこ痛くねーよ」桐生が笑った。

「でもちょっと待てよ。思い出してきたかも。確かさ」

そういいながら千春のアゴを横に向けさせそっと口付けをした。

「こんな感じだったか?」

「……!う…ん」

「誘ってんのバレバレだって。素直に言えばいいのに」




千春は返す言葉がなかった。

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