
貧乳ヒメと書かない作家
第32章 悩める小説家と
「てことはそういうことだろ?」
「あっちょっとぉ」
桐生は千春の淡い青のドレスの胸元に手を滑り込ませた。
「違うってば…」そういう千春だったが桐生にされるがままになっていた。
胸に桐生の冷えた手が触れた。千春の体がピクッとそれに反応した。
「あ、わり」桐生が手を引っ込めようとすると千春がそれを止めた。
「大丈夫だよ。あたしの体温であっためてあげるから」
千春が少し振り向いて笑顔を見せた。
桐生はハッとして自分の顔を手で覆った。
「どうしたの?」
「いや…」
「ふーん?」
千春が前に向き直り、桐生は救われた気持ちがした。
桐生の心臓は早鐘を打つかのように高鳴っていた。
