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貧乳ヒメと書かない作家

第32章 悩める小説家と

もう少し虐めたかった桐生だが、何せ言われてしまったし、そろそろ我慢も限界点に来ていた。

自分の我慢弱さに歯痒さをかんじたが、やっと自分も裸になると、野生動物の如く掴みかかる姿勢になった。

「先生、先生ぇ…」

「ん、ちょっとまってろ」

桐生は震える手でゴムを付けようと躍起になっていた。

千春はその手を掴んだ。

「…先生?あたしたち結婚するんだよ」

「ん?」

「ソレ、要らない」

「え…」

千春は赤らんだ顔で、それでも冷静さを持った表情をしていた。

「千春…」

「ね?」




桐生はなせだかその表情に昔会ったような気がした。
まだ幼子だった桐生が抱かれた優しい温もりと共に感じたものと類似していた。

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