貧乳ヒメと書かない作家
第10章 知りたい女
―その日の夜のこと
松田は自宅のアパートで書類の整理をしていた。
松田は真面目ではあるがゆえに中途半端に仕事をするのがいやだった。
どの同期と比べても仕事速いとは言えなかったが、ミスもほとんどなかった。
ただ会社としては
はやくて確実な仕事が出来る
そんな人の方が当然重宝された。
だから
松田はどっちかといえば仕事が出来ない人。
そんな風に捉えられていた。
それにこんな風に書類整理をしていると、明日編集長に怒られるのでは、という不安を忘れることができた。
「もう11時か」
独身の松田の言葉にはもちろん返事するような人はいない。
寂しいですっ!
そんな時だった。
「♪~」
携帯がなる。松田は未だにガラケーを使っている。
電話だ。こんな時間に誰からでしょう?
松田は通話のボタンを押す。画面には番号のみ表示されている。
「はい?」
「もしもし。如月ですけど松田さんの携帯であってますか?」
松田はびっくりして携帯を落としそうになった。
「わ、とっ。如月先生?!松田です。ど、どうなさったんですか?」
「実は、その…松田さんに相談したいことがあるんです」
如月の声は昼間と違い、ハキがなく沈んでいた。
松田は自宅のアパートで書類の整理をしていた。
松田は真面目ではあるがゆえに中途半端に仕事をするのがいやだった。
どの同期と比べても仕事速いとは言えなかったが、ミスもほとんどなかった。
ただ会社としては
はやくて確実な仕事が出来る
そんな人の方が当然重宝された。
だから
松田はどっちかといえば仕事が出来ない人。
そんな風に捉えられていた。
それにこんな風に書類整理をしていると、明日編集長に怒られるのでは、という不安を忘れることができた。
「もう11時か」
独身の松田の言葉にはもちろん返事するような人はいない。
寂しいですっ!
そんな時だった。
「♪~」
携帯がなる。松田は未だにガラケーを使っている。
電話だ。こんな時間に誰からでしょう?
松田は通話のボタンを押す。画面には番号のみ表示されている。
「はい?」
「もしもし。如月ですけど松田さんの携帯であってますか?」
松田はびっくりして携帯を落としそうになった。
「わ、とっ。如月先生?!松田です。ど、どうなさったんですか?」
「実は、その…松田さんに相談したいことがあるんです」
如月の声は昼間と違い、ハキがなく沈んでいた。