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貧乳ヒメと書かない作家

第13章 新人指導

「僕はおじいちゃんっこだったから、周りの編集者が言うほどは苦労しなくて、むしろ、色んなことを教えてもらったんだ。

その中で、一つ。印象深いものがあってね。

かなり打ち解けたある日に、どうしてそんなに頑固なんだって聞いてみたんだよ。それは今でもはっきりと覚えてる。



『普通の人には普通のことしか創造できない。

どこか異質なものを持っている人にだけ、他人の心を動かせる名作は現れる』

そうやって言ったんだ」

松田はさっきと変わらず楽しげな表情だったが、さっきよりどこか、寂しげな表情だった。

「だから、風戸さん。僕の思う『してはいけないこと』は作家の意思を作り変えてしまうこと』だよ。
もちろんこれは編集者によって違うからこれから君なりに探すといいと思うよ。


だからさ、桐生先生もあんな人だけど、なにか信念を持っているから、辛いこともあるかもしれないけど、真っ直ぐにあの人を受け入れてあげてよ」






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