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貧乳ヒメと書かない作家

第13章 新人指導

松田は楽しかった思い出を呼び覚ますように話を続けた。

赤羽義太郎は今は亡き文豪で、生前は何百冊という本を出版していた。
しかし、赤羽のような昔からの作家はどうしても言い回しが古くなってしまうのだった。


担当者が今風な編集を提案すると、赤羽はプライドを傷つけられたと、当時の担当と言い合いになり、社内ではかなりの問題になったのだ。

そこでちょうど漫画編集者の方で新人が沢山入ったということで、強引に担当を任されたのが松田だった。

「あれ?元々漫画の編集希望だったんですか?」千春驚いて口を挟んだ。

「うん、そうだよ。大学の時はサークルで同人誌作ったりしてたからさ。
でも、こういうこともあるらしいよ。
…稀ではあるけどね」

それでも松田は嫌そうな雰囲気は見せずむしろ楽しむような表情をしている。






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