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いちばん星

第2章 安心できる場所

あんな事があってもこの人は平気な顔をしている。

ママの前でも、あたしに対しても性格がグルリと変わった様にいつもの笑顔を見せてくる。

「花音どうかしたの?」

「えっ?」

牛乳が入ったカップを持ったまま、ボーっとしているとママが心配そうに顔を覗かせていた。

「具合でも悪い?」

ママの手があたしのおでこに触れる。
安心できるはずなのにママの手にすら身体が拒絶の反応をする。

何故かって?
それはあの人が冷たい目であたしを見ているから……。


余計な事言うなよ。
って

目であたしに訴えていた。


「大丈夫だよ?ちょっと考え事していただけ」

ママを困らせたら、それを理由にまた酷い事されるんじゃないかって…
だから精一杯の笑顔でママを安心させてあげなきゃって

そう思った。


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