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人が次々に賽銭箱めがけて押し寄せてくる。

帰ろうと踵を返したその時。


視界のほんのすみっこに。
見知った顔が掠めた。

マフラーで顔の半分は隠れているけど、見紛う事なき、内海課長その人だった。





神様のいたずらか。

全ての希望を捨てたはずの俺の前に、彼がいる。







「マジ・・かよ」

つぶやいて、じっとその背中を見つめる。


熱心に何かを願っている内海はいつもより小さく見えた。

人の流れを挫くように立ちすくみ、彼から目が離せない。