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「これから時間ありますか？」
なんて、安易な台詞しか思いつかなかった。

でも、課長を引きとめられるなら、何でも良かった。



課長は快く最後のデートの誘いを受けてくれた。

まぁ、デートなんて考えてるのは俺だけだ。


そして
「嫌われたかと思った」
視線を下に落として言うから

それがとても悲しそうに見えてしまって、思わず抱きしめそうになった。







分かってるよ、うん。

ちゃんと分かってる。








コレが最後だから。



何度も何度も自分に言い聞かせる。

くじけそうになる自分を叱咤して、俺は無理矢理笑った。