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素直になろうよ

第3章 期待と勘違いと諦めと未練-恋なんてそんなもの

50周年記念式典もなんとか無事に終わり、企画課は平常業務に戻っていた。

まだ6月に入ったばかりだというのに、蒸し暑くてイライラする。

俺は資料を整理する事に飽きて、気分転換にと廊下の自販機の前で一服していた。


「ああ、加瀬宮。さぼりか」

手のひらで小銭をちゃりちゃりしながら、内海課長が企画室から出てきた。


「さぼりって・・資料ならもう上がりますよ?課長のデスクに後で置いておくんで、確認お願いします」

「さっき頼んだのに、相変わらず加瀬宮は仕事が早いな」

「誰かが俺に死ぬほど仕事を回してくれるんで、サクサクやらなきゃ、溜まっていく一方なんですよ」



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