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素直になろうよ

第7章 交わる気持ち

上司と部下で、男と男で。

しかも彼には好きな人が、いるらしい。


想いを告げる事が出来ずに、涙さえ浮かべて、心から好きなんだと。

辛そうに、眉を寄せて、震えながら吐き出す涙声に、俺が泣きそうになった。




喉の奥が痛くて、痛くて。

加瀬宮のそんな辛そうな顔をみていられなくなって。

冗談として笑い飛ばしてくれる事を祈って、つい言葉がこぼれてしまっていた。





「やめて下さい」


パツンと断ち切るような、怒気を含んだ声で俺の発した言葉は一刀両断だった。

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