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素直になろうよ

第7章 交わる気持ち

「課長もこいつを慰めてやってくださいよ」


加瀬宮が寄りかかっているメンバーが、彼の絡まった腕をブンブン振り回して、軽く頭突きをした。


「うん?」

「こいつ、恋話で一次会ずっとウジウジメソメソなんですよ」


からかうような口調に、加瀬宮が今度はその男子社員に頭突きをした。


「るせーよ。もういいんだよ!」


そう言って、加瀬宮は今度は俺を睨みつけるように視線を固定した。


「もう、いいよ」


その言葉は、俺に向けられたかのように、聞こえた。

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