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迷路…俺の場合 (Ver.N)BL表現有

第9章 鍵


引き止められる
はずもねぇのに

なんだか
マシロの言葉を
待ってしまう俺は

じゃあって
言っておきながら

数秒

そこに立っていた




それでも
結局
マシロは
俺を見ないままで・・。



仕方ねぇ



帰るか。





マシロの頭に
手をやり

ぐしゃぐしゃっと
髪をやってから
俺はドアの方に
振り向き


ドアを開けた



そして

一歩踏み出したとき





マシロが




俺のシャツの裾を

つかんだ





つかんだけど

何も言わない




マシロ。







「・・どした・・」





振り向かないまま
マシロに問う。








「朝ごはん・・





朝ごはん

作ってくれるなら





いつでも

来て

かまいませんから



ス・・スタジオに

寝泊り
されたく・・ないんで」





俺は

心の中で

ガッツポーズをしていた



ニヤける顔を

見られたくなくて



振り向きもしないで


「うぃ~~っす」


って返事をして



そのまま

外に出てドアを閉めた







なんか

知らねーけど







太陽まぶしいのに



服、着てんのに



ひとりなのに








俺の心が





軽くなっていた

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