
永遠(トワ)に愛す
第6章 …ヴァンパイアの王…
「そう‥ですか…」
「麗華様を手にかけた以 上‥何らかの罰は受け ると思いますが…
りん様の命はまた狙わ れることになると思い ます
掟は絶対的ですから… 」
「前に‥シンさんが言っ てた…
でも…
なんで人とヴァンパイ アが恋しちゃいけない んですか?」
「それを話すには‥まず 榎奈目様の妻だった雪 様のことを話す必要が あります
まだ響夜様が幼かった 頃です…
榎奈目様は雪様のこと など気にもとめていな く
同じ屋敷内に住んでい ながら顔を合わせるこ とさえなく
長としての役目に没頭 していました
その寂しさの中‥雪様 は一人の人間の男に想 いを寄せ
2人は度々密会するよ うになったのです
その事を知った榎奈目 様は‥激しい嫉妬と怒 りに任せ
2人を手にかけてしま ったんです」
えっ…
「その事件以来‥暗黙の 掟ができたのです
本来‥人間に特別な感 情を抱くのはまれで
掟を破った者はいませ んでした…」
響夜は‥そのことどう 思ってるんだろう…
「暗い話しになってしま ってすいません」
「ううん…
話してくれてありがと う
響夜は…お父さんのこ と恨んだりしていない んですか…?」
「許してはいないと思い ます
雪様の寂しさや悲しみ を‥一番近くで感じて いたはずですから‥‥ 」
「そっかぁ‥‥」
雪さんって‥なんか麗 華さんと似てる気がす る…
だから響夜は‥愛して やれなくてって‥‥
でも…
わたしを守るために‥ そんな麗華さんを―― ―‥‥
気がつくと、目から涙が溢れていて‥シンはハンカチでそっと拭った‥‥
