
永遠(トワ)に愛す
第6章 …ヴァンパイアの王…
響夜‥遅いなぁ‥‥
夕日が差し込む部屋で、りんは心配そうに窓から外を見つめていた。
もしかして‥なにかあ ったんじゃっ‥‥
響夜のためになにかし たいのに
…わたしには‥待つこ としかできないのかな ‥‥
「ココアでも飲みません か?」
「シっシンさんっ
ありがとう…」
いつの間にか隣にいたシンに驚きながらも、ココアの入ったカップを受け取った。
「響夜様‥遅いですね
榎奈目様ともめている んでしょうか…」
「えっ…
大丈夫なんですかっ? 」
「響夜様は
我々ヴァンパイアの中 で1・2を争う程の力 があります
なので‥心配はいらな いと思います」
だけど相手が榎奈目様 となると
少し心配ですねぇ‥‥
「シンっ!!」
バンッッ!!と勢いよくドアが開き、榎奈目を中心にして他のヴァンパイア数人が部屋に入ってきた。
「榎奈目様っ」
この人が‥響夜の…?
「その人間を連れて行け シンっ‥お前も来い」
「榎奈目様‥それは…」
「シンさん…?」
緊迫した空気の中‥心配そうに見つめるりんに、シンは一瞬だけ目を合わせた後榎奈目に視線を戻した。
「わかりました
私がりん様を連れて行 きます」
シンさんっ!?
「そうか
では行くぞ」
部屋を出て行く榎奈目の後に続いて‥シンは、混乱している様子のりんの腕を掴み歩き出した―――――
