テキストサイズ

永遠(トワ)に愛す

第6章 …ヴァンパイアの王…

 
 
見慣れた部屋の景色‥強い日差しが差し込む中… 
りんはゆっくりと目を覚まし‥響夜の心配しきった妖艶な顔がアップで入ってきた。
 
 
 
「響夜…」
 
 あれ‥わたし…
 地下で‥響夜のお父さ んに‥‥
 
 
 
ハッと‥思い出したように、勢いよく上半身を起こした。
 
 
 
「あの後どうなったのっ ?
 」
 
「父は‥俺が殺した…」 
 
 っ!?
 
「…そう‥なんだ‥‥」 
「ああなった以上…
 どっちかが死ぬ運命だ ったんだ‥‥」
 
「でも…お父さんなのに ‥‥」
 
 
 
りんの目から涙が溢れ…響夜は包み込むように抱きしめた‥‥
 
 
 
「…うっ…ぐすっ‥‥」 
 親子で殺し合うなんて 他に‥方法がなかった のかなっ…
 
 わたしが原因で‥響夜 は麗華さんとお父さん 2人も‥‥
 
 
「こうなったのはお前の せいじゃない
 俺は‥なにを犠牲にし でてもお前を離さない ‥‥」
 
「でもっ‥でもーーっ… ぐすっ‥‥」
 
 
 
響夜の胸の中で、りんは涙が枯れるまで泣き続けた‥‥‥
 
 
 
 
 
 
 
 
「落ち着いたか?」
 
「…うん…
 なんか‥泣いてばかり でごめんなさい‥‥」 
「いや…俺の分も泣いて くれてありがとう」
 
 
 
そう優しく微笑みながら、りんの頭を一撫でした。
 
 
 一番悲しいのは響夜な のに…涙一つ見せない ‥‥
 響夜みたく強くなりた いっ‥‥
 
 
「腹の傷‥治ってるな… 」
 
「あっ…ほんとだ…」
 
「まだ俺の血の効果が続 いていたんだな
 なんともないか?」
 
「うん‥いつも通りだけ ど…
 …そういえば‥シンさ んは?」
 
「地下に転がってる死体 を片付けてる
 そろそろこっちに戻っ てくる頃だ」
 
「…そっかぁ…」
 
 
 
ホッと胸を撫で下ろした時‥グルルルーーと、りんのお腹が鳴った。
 
 
 
 こんな時にお腹鳴るな んて…
 恥ずかしいっ
 
 
「朝食にするか
 食べたい物はあるか? 」
 
「あ…前に作ってくれた カニ雑炊がいいな…♪ 」
 
 
 
 
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ