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永遠(トワ)に愛す

第6章 …ヴァンパイアの王…

 
掴んでいた手に力を込めようとした瞬間…
榎奈目の背中に手が貫通し、傷口から血がボタボタと流れ落ちた。
同時に‥手が緩み、りんは地面に崩れ落ちた。
 
 
 
「ゴホッゴホッゴホッ… 」
 
「シンっっ‥貴様っ…」 
「愛している人が殺され ようとしてるのに
 大人しく監禁されてい るわけないでしょう」 
「榎奈目様っっ」
 
 
 
側近達が攻撃してくるのを、シンはその手を抜きながら身軽にかわした。そして‥血に染められた手で1人また1人と、首をもぎ取っていった――――
 
 
 
「シンっっ
 まずはお前から始末し てやろうっ!!」
 
「その前に‥お前が死ぬ 」
 
 
 
シンの背後から襲いかかろうとした榎奈目に、その背後から響夜が首目掛けて手を振り下ろした。 
榎奈目は、首から血を流しながらもその攻撃をかわした。
 
 
 
「まだ‥牢獄を抜け出す 力が残っていたか
 
 お前達は
 自分がなにをしている のかわかっているのか っ!?」
 
「ああ
 あんたがりんを殺すな ら
 俺は命に替えてもりん を守り抜く
 たとえ‥王に刃向かう ことになっても…」
 
 
「私も同感ですっ」
 
 
 
そう言いながら、シンは最後の側近の首をもぎ取った。
 
 
 
「…響‥夜‥‥シンさん ‥‥」
 
「…お前達には失望しき った‥‥」
 
 
 
怒りで手を震わせ‥2人が追いつけない程の速さでりんに近づき、その鋭い手が腹に突き刺さった―――
 
 
 
 っ!?!?
 
 
「りんっっ!!!」
「りん様っっ!!!」
 
 
 
大量の血が流れ‥りんは崩れるように倒れてしまった。
 
 
 
「これでお前達の愛した 女は死んだ
 次は‥お前達の番だ」 
「くっ‥‥」
 
 
 
激しい目眩にフラッとよろけた響夜の隙をつき、榎奈目は一瞬で近づき首に狙いを定めた―――
――が‥
捕らえたのは立ちはだかったシンの首で、辺りに血が飛び散った。
 
 
 
「ぐっ…響夜様っ‥‥」 
 
 
その手をかわしたが、もう片方の手は腹を貫通していしまい‥口の端から血が流れた‥‥
 
その隙に‥榎奈目の後ろを取った響夜は、首目掛けて鋭い手を振り下ろした―――――
 
 
 
 
 

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