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私たちのエッチな体験談。短編集。

第3章 三人目

ーーその時の右京。

バタン。

俺は締めた玄関のドアに立っていた。

二、三歩歩き立ち止まった。

下に行けば心といつも運転をしてくれるテツが居る。

あいつらの前で悩む顔を見せたくねぇ。


だからといって…。


考えないなんてことはできなかった。


初めて梅乃を見た時、今まで会ったことのないタイプの女でそれでいて…

すげー好みのタイプだった。

だから心に

『紹介してくれ。』

と頼んだ。

心は

『あいつはこっちの世界の女には合わないっすよ。』

って言っていたが

『それはあいつが決めることだ。』

と押して会わせてもらった。

今まで俺が付き合ってきた女は

[ヤクザ]

[若頭]

[五代目]

っていう肩書き好きのもの好き女が多かった。

俺も小さい頃からそうやって育った。

五代目にふさわしくなれるようにってな。

でも、親父…四代目の頭の前でも。

お袋の前でもヤクザって看板しょってないといけなくて…。

若頭って立場しかなく、俺になれる場所がなかった。

だから梅乃を見た時に

何もこの世界を知らないこいつの前なら俺でいれると思った。

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