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プリンセスを護衛

第65章 美憂のわがまま

優馬があの状態じゃ、得意の背負い投げも出来ない。

「お前、優馬をどうするつもりだ?美憂ちゃんが目的じゃないのか?」

俊が低い声で問う。
男は優馬の髪を鋤いた。
その仕草にゾッとした。
血の気が引く。
相手の返答が怖かった。
相手の顔にニヤリと嫌らしい笑みが浮かぶ。

悪意。

滅多に見ることの無い感情。
俊はこの時、自分がいかに平和ボケしていたか気付いた。

「千葉優馬くん。格好良くて綺麗な顔してる。結木美憂ちゃんが惚れるのも分かる気がする。」

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