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「成瀬さん…良くしてくれてるんだね…」


「まあな…あっ、でも何もないからな」


遼一は微笑んだ。


「あのさ、たっちゃん、僕、しばらくフランスに行くんだ」


「フランス⁈」


「モデルの仕事でさ」


「一週間か？それとも二週間か？」


遼一は少し間を開けた。


この時点で俺は悟った。

くる時がきたと…





「たっちゃん、僕あっちで新たに頑張りたいんだ。やれるとこまでやってみたい。だから…暫くは…帰らない…」


チラリと俺を見てから俯く遼一を俺は思い切り抱きしめた。


ギブスの取れたばかりの左腕も使って…