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この手を離さないで

第6章 第六章 柚希



中に入るとそこに柚希の姿はなかった。
おそらく、さっきの部屋に戻ったんだろう






「率直に言います
まず、今回起こった事についてですが
あれはこの病気には珍しくない事で、意識が戻った訳ではありません。」




そんなっ…!



項垂れる俺の背中を陽が擦ってくれた。



医師は続ける

「それよりも、3年間寝たきりの柚希さんの身体はもう限界に近付いています。


いろんな体の器官が弱ってきている事は以前にもお話しましたよね。


今までは薬で押さえてきましたが、それも長くはもたないでしょう…」






…。


「もういつ何が起こってもおかしくない事は事実です。
…辛いですが
覚悟を決めておいて下さい。」




柚…。



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