
この手を離さないで
第7章 第七章 待ってる
まだ夜明けには時間がある薄暗い中に、それらしき女を見つけた。
煙草を吸いながら空を見つめてため息を付いている
「はぁ…。」
その女、渚に向かって俺は話しかけた
「俊なら来ねぇよ、渚ちゃん」
振り返った彼女は怪訝な顔で俺を見た
「あんた誰?」
フッ
尚人に聞いた通りの言葉使い
どうやら渚ちゃんで間違いないようだ。
「俺は俊の友達。
陽って呼んで。
ねぇ?
俊がここに来れない理由知りたい?」
彼女はまっすぐな瞳で俺を見つめ、言った
「知りたい。教えて陽。」
りょーかいっ
