
この手を離さないで
第9章 第九章 幼なじみ
中学1年の時に尚人の両親が離婚した。
尚人の事は親父さんが引き取る事になったけど、その年の夏に親父さんは尚人に黙って家を出てった。
誰も居なくなった部屋で尚人は一人膝を抱えて泣いていた
『陽…。
俺何で生まれて来ちゃったんだろ
みんな俺のこといらねーんだよな
俺、親父に見捨てられた。
もぅ、やってけねーよ。』
バシッ
俺は尚人を本気で殴った。
そうしなきゃ今のこいつには伝わらねーだろうから、
「ばーか。
何弱気なことばっかり言ってんだよ
親父さんは見捨てたかもしんねぇけど、俺はお前のこと全体見捨てねぇー!
ずっとお前の側にいる
俺には尚人が必要なんだ。
だから、んな悲しいこと言うんじゃねーよ
お前は独りじゃねーんだから」
尚人は泣いた後、いつもみたいにニッと笑う
『陽、ありがとな。』
「ああ。
尚人、今日から俺ん家来いよ。
親にはもう言ってあるし、遠慮すんな。」
