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この手を離さないで

第9章 第九章 幼なじみ

それから、中学を卒業するまで尚人と一緒に暮らした。


「は?
尚人、今お前何て言った?」



『だから、俺は高校行かねーで働くって言ってんだよ


いつまでも陽に迷惑かける訳にいかねーし』


「迷惑なんて思ってねーよ!」



パシッ

部屋を出ていこうとする尚人の腕を掴む


その手を捕まれていない方の手でそっとよける

『ごめんな陽兄。

もう決めたんだ。仕事先も大体検討ついてあるし、大丈夫だよ







家は出てくけど、ずっと俺の兄貴で居てくれる?』



コンッ


尚人の額に自分の額を重ねて、尚人の涙を拭う。


「あたりめーだろ



たまには帰ってこいよな」





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