優しくしないで
第5章 夏のつま先
『…仁…さん…』
あれれ?
と私の顔を覗き込む…
相変わらず綺麗な髪と、オシャレな服
「留美ちゃん?
髪!!!濡れてるじゃんか!」
湿っている髪を手にとる
「げっ!!!プール行ってきた?塩素臭い…」
『…そんなに臭いですか?』
「うちの店おいで、シャンプーとトリートメントしてあげるから。」
ニッコリする仁さん
『いや…今日は持ち合わせないので』
やんわり断ったつもりだった
「トリートメントの練習だよ!付き合って?」
意外に強引な仁さんに…またもや
腕を捕まれて…
店までついて来てしまった…